2013年3月26日火曜日

これから小学校受験に臨まれる方々へ ~卒園生のご父母からのメッセージ~

今回は、桐杏学園朝霞台校からのリレーコラムです。


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志望校に合格されたご父母の皆様とお話させていただきました。


その中からこれから入試を迎える皆様にとって、ちょっとしたヒントになりそうなお言葉をいくつかご紹介させていただきます。


◆「毎朝、幼稚園に行く前の30分を学習時間に充てました。制限時間があると集中力も高まります。」

…お忙しい登園前の貴重な時間を学習に充てることは大変だったと思います。

焦る気持ちを抑え、冷静にお子様と向き合うお母様、なかなかできることではありません。



◆「幼稚園で、その日にあった出来事を子どもに話させました。」

…お母様、お父様が共感しながら聞いてくださることは、お子様にとって嬉しいことです。

さらに、表現力を育てていくことにもなり、とても良いことです。



◆「子どもと散歩をするときには、何か小さな発見を共有し、一緒にどうしてかなぁと、考えることを楽しみました。」

…子ども目線で見渡してみると、見慣れた景色のなかにも『不思議』がいっぱいあります。

それを教えるのではなく、共有できるお父様、お母様、素敵ですね。



◆「お手伝いをする子どもの様子を家族で見守ってきました。家族の助けになっていることが、とても嬉しいようでした。」

…人の役にたつ喜びは、お子様を大きく成長させるきっかけにもなります。そして、ご家族の方々から誉められることは、いろいろなことに挑戦していくときの意欲にもつながります。



◆「空き箱を使って、『紐結び』や『お箸運び』さらに『カード遊び』などで、楽しみました。

…さぁ、お勉強と構えなくても、遊びの中からも学習が始まります。今日は、何をするのかな?とワクワクする気持ちで身につけたことは定着度も高いものです。



◆「自転車に乗っているときも、周囲を気にしながら、面接の練習をしてみました。『風が吹いていて聞こえなかったから、もう一度言ってみて』と元気な声で答えさせる練習になりました。」

…安全と人目に注意しながらの特訓ですね。お母様とのこの練習が楽しかったのでしょうか。私にも、その様子をお話ししてくれました。



◆「小学校入試を経験しなければ、これほど子どものこと、父親として、母親として、家族の教育方針…と夫婦で話し合うこともなかったと思います。良い経験になりました。」

…お父様、お母様のお気持ちに寄り添い、お子様の個性を大事にして、ご希望をかなえることができますように、努めていきたいと思います。






2013年3月20日水曜日

平成25年度 小学校入試を振り返って ~西日暮里校編~

ラストは、西日暮里校からです。


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『毎年、希望者が多い筑波小について』



毎年、西日暮里校には『国立』小受験志望の方が、多く足を運ばれます。

国立3校(筑波・お茶の水・学大竹早)にお住まいが近いので、『小学校受験をする』ことが自然な雰囲気なのでしょう。

H25年度入試は、3校とも考査内容に大きな変化は見られませんでした。

毎年4000名近い出願者が殺到する筑波大付属小を例に、小学校入試をみていきましょう。


この学校では、月齢別に、A(4~7月生)・B(8~11月生)・C(12~3月生)グループにわかれて考査を行います。

特に、Aグループは、入念な準備をしていないと厳しいといえます。

『ペーパー』は、満点を取るくらいの気持ちで臨み、その他の項目も、何でもそつなくこなしていけるまでの訓練が必要です。

Bグループは、Aグループほどではないとはいえ、同程度の難易度までの課題を経験しておくと安心できます。

Cグループは、月齢考慮ゆえ、3グループの中で、一番難易度が低いという点では有利ですが、最後まであきらめず、粘り強く取り組む精神力は育てておきたいものです。

筑波の考査内容は、例年通りの『ペーパー』、『口頭試問』、『制作』、『体操』、『行動観察』でした。

『ペーパー』は、2枚。話の記憶(全グループ)と重ね図形、オセロ、対称図などと、グループによって異なります。

重ね図形、対称図などは、過去問と類似していることがあります。しかし、指示を正確に聞き取り、その通りに行えるかが、鍵となります。

問題を見た途端「あっ、これ、知ってる。やったことある」と思い、瞬時に答えを考え始めてしまい、問題の指示が、耳に入らなくなるお子様もいらっしゃいます。

自分が思ったとおりの指示であればいいのですが、そうでなかったときを想像すると、恐ろしくなります。

なによりも落ち着いて話を聞く態度が求められるのです。

また、制限時間が短く、素早い判断力も要求されます。


『口頭試問』は、名前、好きな食べ物、誰と来たか、など一般的な質問なので、あらかじめ準備をしておけば大丈夫です。

先に行われる私立小受験を経験しているお子様であれば、難なく答えられる内容です。


『制作』は、グループにより、難易度の差がありますが、紙をちぎる、紐を結ぶ、クーピーで塗る、シールで留める、のりで貼るなどの要素は共通です。

いきなり入試問題をやってみるのではなく、それぞれの要素が含まれる活動を日常生活で体験しておくことをおすすめします。

H25年度の『体操』は、全グループとも、マットで前転した後に、‘クマ歩き’。

前年度は、‘クマ歩き’のみでした。

しかし、過去にも前転と‘クマ歩き’が出題されたこともあり、対策講座である『筑波特講』など、幼児教室の講座を受講していれば、お馴染みの体操なので、慌てず対応できたはずです。


『行動観察』は、スポンジ積み木を高く積む競争、スポンジ積み木で船やお城を作るなどの出題で、昨年も行われており、予想通りでした。

お友だちとの関わりをみる『行動観察』のテストは、学級運営をしていくうえで、非常に重要です。

いくら、ペーパー処理能力があっても、この場面で人に迷惑をかける行動や、場を乱す言動がみられると、合格は厳しくなります。



このように、子どもの総合力を見られるため、過去問をやれば対応できるかと思いきや、やはり付け焼刃の学習では、なかなか合格は勝ち取れません。


筑波に限らず、小学校受験は、受験生が5,6歳の幼児であることを十分踏まえ、志望校で出題されると思われる課題の経験を多く積み、不安なく当日を迎えさせてあげることが大切です。










筑波大付属小【制作】Bグループ男子の例


2013年3月15日金曜日

平成25年度 小学校入試を振り返って ~草加校編~

第8回は、草加校からです。



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埼玉県には、5つの私立小学校(開智・さとえ学園・西武学園文理・星野学園・浦和ルーテル学院)と、1つの国立小学校(埼玉大学附属小学校)があり、いずれも毎年、県内県外を問わず、多くの受験生がいらっしゃいます。

ここ、桐杏学園草加校にも、埼玉県はもとより、東京、千葉、遠くは群馬、茨城からも、25年度小学校入試を目指して、がんばるお子様が集まりました。

都内や千葉の私立小学校を志望なさる方もいらっしゃいますが、何といっても、アクセスの良い開智小学校、さとえ学園小学校は地域の人気校です。

そして、今年も無事合格のご褒美もたくさん頂くことができました。



今回は、一番受験生の多かった開智小学校の入試を振り返ってみます。

この小学校の入試は都内より1ヶ月早い9月29日でした。

面接は、それ以前に行われるので、夏休みが終わるともう、入試本気モードいっぱいで、秋を迎えました。

面接は親子別々に行われます。

子どもの面接は様々な問題提起をして、子どもの発想や意見を聞く口頭試問であり、子どもらしさの中に、しっかりとした自分の考えを持っていることを求められます。

そして、面接と同日に行われる『自己発信』(自己アピール)が、この学校の特徴です。

自分の得意分野を披露することにより、自分というものをより良く知ってもらうための時間です。

上手下手というよりも、その時間、その空間を最大限に生かして如何に自分を表現し、相手(先生)とのコミュニケーションを楽しめるかが大切です。

本当にユニークなテストですね。

子どもたちは、大人の心配をよそに「あー、おもしろかった。」と会場を出てくることも多く、そのようなお子様が合格も頂けていました。

考査も特徴的で、ペーパー問題はカラーで、本のようなしっかりとした冊子になっており、ペーパーA(15ページ)、ペーパーB(12ページ)にわかれています。

聞き取り(推理)問題、ことばの問題、数の操作がペーパーA、推理思考、条件空間類推がペーパーB。

どちらも問題数が多く、柔軟な思考力と、てきぱきとした判断力、スピードを要します。

ペーパーAは、昨年とほぼ同様の傾向でしたが、特にペーパーBは、毎年先生方が趣向を凝らして御作りなので、考査後話題にも上り、楽しみでもあり、ドキドキでもあります。

問題の条件を聞き漏らすと全滅になり兼ねないので要注意です。


ペーパーのほか、手先を使った花火の貼り絵、1グループ10人で、与えられた材料を使い、体育館いっぱいにお弁当の中身を作る集団制作、けんけん(棒5本をジャンプ)・マット(前転2回)・熊歩き・ボール投げの連続運動がありました。

受験期が早いことで、この内容は開智小学校に限らず、都内や千葉、国立の小学校にも良い影響と結果をもたらしておりました。

健康な体と逞しい心を持ち、お友だちとの関わり合いの中で、協調性と積極性を持つことの大切さを感じます。

そして何よりもしっかりとした準備が肝要です。




2013年3月9日土曜日

平成25年度 小学校入試を振り返って ~松戸校編~

第7回は、松戸校からです。



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常磐線沿線の小学校受験に、H26年度新設の江戸川取手小学校が、新風を巻き込むであろう、とささやかれ始めています。

では、これまでの受験状況はどのような様子だったのでしょうか。



松戸市内の聖徳大附属小学校は、20名ほど合格者を増やし、幼稚園から女子大までの地域に根ざした教育が評価されています。

中学進学時に他校受験をする男子には徹底した学力をつけさせることも、「和」の精神を重んじる建学理念と共に人気の要素となっています。



「一人一人の子どもが輝く学校」を目指すという千葉日本大学第一小学校は地元船橋や医科系の大学に進ませたいとお考えのご家庭を中心に人気があります。

また、あらゆる学部・学科のある日本大学までの一貫教育体制も魅力です。



千葉県唯一の女子校、国府台女子学院小学部は、堅実な女子教育と確かな大学進学率を誇る学校です。

例年に比べ広き門となりましたが、新校舎完成を機に、H26年度入試は難化が予想されます。



隣合わせに立地する日の出学園小学校は、例年通りの出願者数となりましたが、H26年度の募集定員を102名に減員することが既に決定しています。当然、難化が予想されます。

これは、1クラスの人数を減らして、より密度の濃い指導を充実させることがねらいとのことです。

この趣旨には大いに歓迎するところですが、多少の倍率変動に打ち勝てる受験対策が求められます。



昭和学院小学校は、推薦・一般とも例年通りの出願数で人気は健在のようです。

千葉県内の私立小のペーパーテストは、難易度は標準的ではあるものの、幅広い分野をきちんと学習しておくことが求められます。

さらに、倍率の上昇が予想されている小学校に限らず、よりきちんとした受験対策が求められることはまちがいありません。